DTM Digest
財務大臣加藤氏「約1年間、財務省の政策について発信できた感謝を申し上げる" - 金融庁新着ページの記事画像
行政_日本 金融庁新着ページ

財務大臣加藤氏「約1年間、財務省の政策について発信できた感謝を申し上げる"

財務大臣加藤氏は、10月21日、加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見を行った。会見の概要は以下の通りである。

会見の冒頭で、石破内閣総辞職を表明した。加藤大臣は「約1年間にわたり、皆さんに大変お世話になりました。改めて御礼を申し上げたいと思います。皆さんからご質問いただき、この場を通じて財務省の政策についても発信することができ、国民の皆さんに聞いていただき、知っていただく機会をいただけましたことに心から感謝を申し上げます」と述べた。

質疑応答で、加藤大臣は、今年の新しい内閣が発足することになり、加藤大臣は昨年10月に財務金融担当大臣に就任して1年がたちました。在任期間を振り返って率直な感想をお聞かせくださいと質問された。

加藤大臣は「少し長くなりますけれども、今申し上げた昨年10月1日に石破政権が発足いたしまして1年が過ぎたわけでありますけれども、今振り返るとあっという間の1年だったと感じております。就任時においては岸田前政権下における取組の結果なども含めて成長と分配の好循環が生まれ、経済の回復の兆しが見られたところであります。石破政権下においてもまさにその流れを確固たるものにすべく、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現する、これを目指してまいりました。財務大臣として経済成長を実現する中においても、同時に財政再建、財政の健全化を図るという難しい舵取りに取り組んできたところであります」と述べた。

また、加藤大臣は、賃上げの促進と物価高対策についても述べた。「具体的には令和6年度補正予算、令和7年度予算において中小企業・小規模事業者の生産性向上や設備投資等に対する支援を盛り込み、賃上げ環境の整備を促進いたしました。また世帯当たり3万円の低所得者世帯向けの給付金を含む重点支援地方交付金を措置することで地域の実情に応じて物価高に取り組んでいただけるよう家計・企業への支援にも取り組んだところであります。また令和7年度税制改正においては中低所得者層の税負担の軽減を図るため所得税の基礎控除の引上げなどを行い、1人2万円から4万円の所得税減税が今年の年末調整から実施されることとなっております。こうした取組の中で経済指標にもポジティブな現象が現れてきたと考えております。具体的には1年前と比べて名目GDPは、本年第2四半期でありますが635兆円となりました。日経平均は4万円を下回る水準が4万9000円超と史上最高値となり、また春闘での賃上げ率は昨年に引き続き5%を上回る水準、家計金融資産は本年6月末で約2239兆円と過去最高の水準に到達といった成果が現れており、経済面で企業や国民の皆さんの行動にポジティブな変化が出てきているものと認識をしております」と述べた。

さらに、加藤大臣は、国会審議についても述べた。「予算編成、税制改正のプロセスでは、衆議院で少数与党というこれまでにない状況で国会審議に臨みました。党派を超えた政策協議や国会審議の内容を踏まえて令和6年度補正予算、令和7年度予算、令和7年度税制改正、いずれも国会での修正となりました。特に令和7年度予算については衆参両院で予算修正が行われるというこれまでにないプロセスとなりましたが、年度内の成立を図ることができました。各党の主張を真摯に受け止め、国会での議論が反映された結果であり、熟慮・熟議の国会の成果であったと捉えております。法案についても粘り強く説明を重ね、国会でご審議をいただいた結果、野党の賛同もいただき、財務省提出法案5本、金融庁提出法案3本、計8本全て成立をすることができました。現在は初の衆参両院で少数与党という状況になっているところであります。今後、各党の協議はこれからますます重要になっていくものと考えています」と述べた。

さらに、加藤大臣は、国債管理政策についても述べた。「日銀の政策金利の引上げなども受けて長期金利も上昇し、金利ある世界に戻っていく中、慎重な舵取りが求められました。今年の4月から5月にかけて金融環境における投資家の動向や我が国の財政を取り巻く状況などを背景に超長期債の金利が大きく上昇いたしました。この間、市場関係者との丁寧な対話を行った結果、6月には超長期債の発行減額を行う国債発行計画の見直しを行いました。責任ある財政運営が重要でありますが、市場に対して丁寧な発信を行うとともに、投資家が発信するシグナル、これを見逃してはならないと考え、マーケットとの丁寧な対話の重要性を改めて認識をしたところであります」と述べた。

さらに、加藤大臣は、国際関係についても述べた。「この1年間、国際秩序の変化への対応を多く求められました。ロシアによるウクライナ侵略が継続するほか、米国ではトランプ政権が誕生し、米国の関税措置に伴う不確実性も高まったところであります。日米間において、関税協議については、赤澤大臣がその担当大臣として対応されましたが、為替に関する事項については、専門家たる私とベッセント財務長官の間で協議を重ねたところであります。ベッセント財務長官は合衆国議会上院に承認されたばかりのタイミングで、為替について緊密に協議していくこと、二国間や多数国間で議論されている諸課題に対処するため、日米間でより一層緊密に連携していくことをオンライン会談で確認をしたところであります。この会談がベッセント財務長官が言われるには就任後最初の外国の大臣とのオンライン会議だったということで、日米間の信頼関係の表れであったと考えております。その後も、日米財務大臣会合や国際会議の機会を通じて、ベッセント長官とは会談を重ねることができ、二国間の信頼構築につなげることができたと自負をしております。その結果、9月に7月の日米合意に沿った、米国の関税措置に関する大統領令等が発出されたことを受け、「日米財務大臣共同声明」を発出いたしました。為替に関する日米の共通認識等を文書の形で明確に確認できたことは大変意義深いと考えております。こうした不安定な国際情勢のもとで各国との連携を図っていくことが重要であり、G7やG20等の国際会議にも積極的に参加することができました」と述べた。
元記事を見る
シェア:

← 左右にスワイプで記事を移動できます →